放射線と放射能を理解するために
空間線量率の測定ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー食品に含まれる放射能の検査環境放射線および環境放射能の検査基本用語放射線と放射能を理解するために
食品に含まれる放射能の検査
原子力施設の事故等による食品の放射能汚染は、法律によって規制されています。食品に含まれる放射能を測定することにより、食品の安全を確認します。
食品中の放射性物質からの1年間の内部被ばくの量(放射性物質が体内に残っている間に人が受ける内部被ばくの総線量)より、基準値が決められています。当社では、ゲルマニウム半導体検出器で、食品中のI-131、Cs-134、Cs137の濃度を測定することができます。

食品中の放射性物質の新たな基準値
平成24年4月1日から、食品の安全と安心を確保するために、事故後の緊急的な対応としてではなく、長期的な観点から新たな基準値が設定されました。

食品中の放射性物質の新たな基準値
食品中の放射性物質の新たな基準値
食品中の放射性物質の新たな基準値
[出典] 厚生労働省HP ※マウスを乗せると拡大します。

食品中の放射性物質の測定
当社の検査方法です。

①試料の前処理
食品中の放射能測定のための試料前処理方法は、「文科省編放射能測定法シリーズ24 緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリーのための試料前処理法」に準じて、試料は可食部を測定しています。ただし、加工した食品は、原則としてそのままの状態で測定しています。
試料の洗浄は、試料洗浄(土壌除去)の標準作業書に準じています。
液体の試料はそのまま、固体の試料は、予めハサミ、カッター、包丁等で細切りした後、全体を均一に混和し、設定された容量(当社では、マリネリ容器、U-8容器、タッパー容器を使用)を機器校正に用いたものと同じ容器に予め重量を測定してから充填します。
また、当社では、水分含量の測定も行うことができます。ご依頼時に合わせてご指示ください。

天秤と測定試料
天秤と測定試料

②測定
■機器・器具
ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメータで測定します。使用する検出器の相対効率は15%以上で、検出器周辺を厚さ10cmの鉛遮蔽体等で囲みバックグランドを低減しています。

装置外観
装置外観
検出部
検出部
解析部
解析部
ゲルマニウム半導体検出器ガンマ線核種分析装置

■線源
測定容器と同じ形状をした多核種混合放射能標準ガンマ体積線源を用いて校正します。

線源
多核種混合放射能標準ガンマ体積線源

■測定容器
マリネリ容器、U-8容器、タッパー容器を使用します。

測定容器
多種類の測定容器

③機器校正法と日常管理
校正及びスペクトル解析方法は「文部科学省編放射能測定シリーズNo.7 ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー」に準拠しています。
定期的に標準線源を用いてエネルギー校正と検出効率校正を行います。
検出器の汚染を防ぐため、検出器を覆うポリエチレン袋を定期的に取り替えます。
定期的にバックグラウンドを測定し、汚染等による上昇していないことを確認します。

④試料の測定
予め重量を測定した測定容器に試料を充填した後に重量を測定し、重量の差を試料重量として記録します。測定容器をGe検出器のエンドキャップの上に置きます。予め要求された検出限界値(Bq/kgまたはBq/L)が得られる測定時間で測定し、ガンマ線スペクトルを得ます。ガンマ線スペクトルは、「文部科学省編放射能測定シリーズNo.7 ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スペクトロメトリー」に準拠した方法で解析し、試料中の放射性物質の濃度と誤差を求めます。当社では、I-131、Cs-134、Cs-137の放射能濃度と誤差を算出します。検出限界値未満(ND)の場合には、その時の検出限界値を表示します。

試料の測定
Ge検出器のエンドキャップ上の測定容器

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