平成23年3月
新規受託項目のお知らせ
謹啓 時下益々ご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り厚くお礼申し上げます。
この度、下記項目において検査項目を新たに受託開始いたしますので、取り急ぎご案内いたします。
弊社におきましてはご要望に幅広くお応えすべく研鑽を重ねてまいりますので、今後共引き続きお引き立ての程お願い申し上げます。
敬白
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■新規受託項目
項目コード No. 検査項目名 検査要綱 41068 胃癌HER2タンパク (IHC) 検査方法 酵素抗体法(LSAB法) 実施料 690点 「N002」免疫染色(免疫抗体法) 所要日数 5〜10日 41115 胃癌HER2遺伝子 (FISH) 検査方法 FISH法 実施料 2500点 「N005」HER2遺伝子標本作製 所要日数 10〜14日
■ 実施日
平成23年4月1日(金)受付分より
【提出方法】
病理検査と同時依頼の場合
1)材料は胃癌の原発巣または転移巣の組織が検討対象となります。(切除標本および生検標本)
2)10%中性緩衝ホルマリンで6時間以上48時間程度固定したものが望ましいとされています。
3)病理依頼書の追加項目に項目番号を記入してご提出下さい。
胃癌HER2タンパク検査(IHC)依頼のみ(弊社で病理検査を実施していない場合)
1)病理依頼書と病理診断書のコピーを添付しご提出下さい。
2)ホルマリン固定パラフィン包埋組織から未染薄切切片を作製し、シランなどのコーティーングスライドにのせたものとなります。
組織は4μmの厚さに薄切し、なるべくスライド中央に貼りつけ40℃で一晩乾燥させ、速やかにご提出下さい。(長時間高温に置くことは避けて下さい。)
未染標本は4枚ご提出下さい。(薄切から6週間以内)
3)パラフィンブロックでのご提出も受託致します。
■胃癌HER2タンパク(IHC)
■胃癌HER2遺伝子(FISH)
胃癌初のバイオマーカーとして、個別化医療の進展に期待されています。
胃癌におけるHER2検査をタンパクレベルと遺伝子レベルで実施します。
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トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)はHER2タンパクを標的として癌細胞の増殖を阻害する分子標的薬で、これまで乳癌の治療効果を向上してきましたが、このたび「HER2過剰発現が確認された治療切除不能な進行・再発の胃癌」にも適用が認められました。
胃癌においても、ハーセプチン治療開始前にHER2の過剰発現を確認することが必要ですが、腫瘍内のHER2発現の不均一が高いなどの特徴を考慮し、胃癌に適した検査の進め方が重要とされています。このたび受託開始いたします「胃癌HER2タンパク」および「胃癌HER2遺伝子」をご案内いたします。
◎胃癌HER2タンパク(IHC)
免疫組織化学法(IHC)は、癌細胞の細胞膜に局在するHER2タンパクを免疫染色する検査です。腫瘍組織や腫瘍内のHER2タンパクの過剰発現の全体像を把握しやすいため、初回検査として実施することが推奨されています。
◎胃癌HER2遺伝子(FISH)
FISH法は、蛍光標識されたHER2DNAプローブを用いて、HER2遺伝子のコピー数を検出する検査です。
HER2シグナルとCEP17(17番染色体セントロメア)シグナルの比により遺伝子増幅の有無を判定します。
≪HER2検査のフローチャート≫
(HER2検査ガイド 胃癌編より一部改変)